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医療大麻

医療大麻の重要な側面「シナジー」とは?この概念を理解せずにマリファナ処方はできません

大麻の持つヒーリング効果が見直され「解禁」の波が押し寄せている世界状況の中、日本人を含め圧倒的多数の人が未だ「大麻というものが何なのかがよくわからない」いやっ「未だ一度も摂取するチャンスに恵またことがない」というのが現実です。

あまりにも、大麻肯定派の世界的波が強いために、このままでいくと日本も思いのほか早く「大麻解禁」の方向に進みだすかもしれません。

もしそうなって行った場合、やはり病で苦しんでいる方々から先に「医療大麻」の恩恵を受けていただくということになると思うのですが、多くの大麻未体験の方々が「医療大麻」を使うにあたって、抑えておかなければいけない概念にシナジーというものがあります。

シナジーとは、二つ以上の物が組み合わさることにより、効果的な「相乗効果」が得られることを言います。

マリファナのシナジーは大きく2つに分かれます。

  1. マリファナそれ自体の中にある成分同士のシナジー(アントラージュ)
  2. マリファナとほかの薬物との組み合わせによるシナジー

①マリファナそれ自体の成分同士のシナジー(アントラージュ)

マリファナ(大麻)は、それ自体の中に120種類以上のカンナビノイドと言う成分が含まれています。

代表的なものはTHC(テトラヒドロカンナビノール)CBD(カンナビジオール)ですが、体への効果はこれら様々な成分が組み合わさり、お互いの相乗効果により発揮されています。決してTHC単独、CBD単独で働いているのではありませんし、単独では効果が限定的にとなります。

このような麻に配合される成分同士の相乗効果を近年アントラージュとも呼ぶようになってきています。

②マリファナとほかの薬物との組み合わせによるシナジー

この記事でフォーカスを当てていくのがこの部分です。

マリファナは他の様々な薬と親和性のキャパシティーが広く、その相乗効果で起こる有効な効果が着目されています。

 

大麻とほかの薬剤とのコンビネーションで起こる予想外の有効な効果

大麻は単独で摂取する意外に「他の薬物と組み合わせる使用法」というのがあります。

違う薬と併用して相乗効果のアップを狙うのです。

例えば一緒に摂取することで「今までその人に効かなかった化学薬物が効くようになる」ということが起こりえます。

具体的に言いますと、どんな抗がん剤も全く効かなかった患者さんが、医療大麻と抗がん剤を一緒に使用したところしっかりと効いてしまい疾患が緩解してしまったという様な感じです。

このような事例は後を絶たず、少しネットを調べるだけで沢山の実例の報告を見つけることが出来ます(英語サイト)。

これは、大麻を摂取すると薬を作用させる閾値が下がるからとか、薬物を受け入れる受容体が活性化されるからという説など様々な説があるのですが、まだはっきりとは解明されていません。

 

この大麻の特質に早々から着目していたのは昔のジャンキー達

このマリファナの持つもう一方の側面を早くから知っていて利用していたのは、昔のジャンキー(嗜好ドラッグ中毒者)たちでした。

彼らは、先にマリファナを摂取しておけばヘロインが少量でも効くとか、ベンゾ(ベンゾジアゼピン系)とマリファナは注意しろとか、マリファナとマジックマッシュルームは相性が良いだとかと言うシナジーに詳しかったのです。

下が様々な嗜好ドラッグ(合法非合法両方を含む)のコンビネーションで起こる作用がグラフ化されたもので、平たく言うと薬どうしの愛称が良いのか悪いのかがこれでわかります。

出典 : https://wiki.tripsit.me/wiki/File:Combo_2.png

 

この中からマリファナ(大麻)の部分だけを抜き出し書き直したものが下の図になります。

上の票から何が言えるのかと言うと、ほかのドラッグに比べてマリファナは相対的に他の薬物との相乗効果が良くその併用使用に関して危険性が低いということです。(ほかのドラッグに比べオレンジ色と赤色が少ない)

シナジーの概念は非常に奥が深く理解しにくい部分なのですが、より深く理解するために、さらにアルコールとマリファナにフォーカスを当ててみます。

 

下戸が酒豪に変身する???

マリファナ(大麻)は、アルコールとの併用でシナジーが高くなる(つまりお酒と大麻は相性が良い)とされています。

アルコールとマリファナのシナジーが高いということはどういうことなのでしょうか。

これは二つのポイントとがあります。

  1. 少量のお酒でも十分な酩酊が得られ、その酩酊感はこれまでの物とは違う陶酔感となる
  2. 一滴も(あるいは少量しか)飲めなかった人が普通に飲酒できるようになる

のポイントはまさにシナジーを代用する作用ですが、これは少ない量でも十分な酩酊状態になるということと、もう一つは二つを組み合わせることにより、マリファナ単独とも違う、アルコール単独とも違う、新たなフィーリングの酩酊状態(ハイ状態)が得られる(新たな効果が出現する)ということです。

そしてここで着目したいのは②の「一滴も(あるいは少量しか)飲めなかった人が普通に飲酒できるようになる」です。

ある人々は生まれつき体がアルコールを受け付けない、つまりお酒が飲めない体質にも関わらず、マリファナを併用(順番はマリファナを先に摂取しお酒は後、逆は危険)することにより、普通にお酒が飲めてしまう様になります。

全くの下戸だった人が急に楽しく、気持ちよくお酒が飲めるようになってしまう。飲もうと思えば酔いつぶれるまで飲めるようにもなる。(すべての人がそうなる訳ではない、ならない人もいる)

これは、つまりその人に適正に働いていなかったもの(薬物)が適正なはたらきをするようになるということで、このような報告は後を絶ちません。

注意

誤解されないように申し上げますが、これまでマリファナとヘロインの相性が良いとか、アルコールとの相性が良いとか述べていますが、これはあくまでシナジーの概念を理解しやすくするために取り上げているだけであり、決して嗜好ドラッグ使用を進めている訳ではありませんのでご了承ください。

 

白血病の薬が少量で的確に効くようになった

マリファナのシナジーは非常に期待できる医療マリファナの一つの側面です。

様々な疾患で苦しんでいる方々で、既存の薬の効果があまり良くない、あるいは全く効かなかったという方々が、マリファナとの組み合わせで急に効くようになるということが起こりえます。(注意、反対に効果が減少することもあり)

例えばロンドン大学の研究によると、白血病の治療に使用する化学治療薬と医療大麻を併用することにより、薬ががん細胞に届くようになった、また少量の薬で効くようになったという報告があります。

https://wqad.com/2017/06/07/cannabis-combined-with-chemotherapy-effectively-destroys-cancer-cells/

この時に使用する医療大麻は、よくレクリエーションで使われるマリファナではなく、医療用に抽出、精製されたものでなければなりません。

また摂取するときには、その順番が重要になります(この場合は先に化学薬を摂取したほうが効果が極めて高かった)

 

すい臓がんのマウス実験では

また、すい臓がんに罹患したマウスの実験で、片方には化学療法薬のみ、もう片方には化学療法薬と医療大麻の組み合わせで投与してみた所。

カンナビスを使用したほうが使用しなかった方のマウスグループよりも三倍長生きしたという結果があります。

https://www.forbes.com/sites/daviddisalvo/2018/07/31/study-cbd-from-marijuana-plus-chemotherapy-triples-cancer-survival-rates-in-mice/#348c41ac4630

 

医療大麻研究はスタートしたばかり

ごく最近までマリファナ使用は、ほとんどの国で違法でした。そのために「マリファナの作用機序(作用のメカニズム)」や「マリファナと他の薬物との相乗効果」などの研究はまだスタートしたばかりです。

つまり医療大麻に関しては、まだまだ解明されていない事の方が殆どなのです。

またマリファナは、個人個人で作用の仕方に違いがみられたり、品種により含まれる成分や量の違いで作用の仕方が大きく変わってきます。

また、いかにも良い面ばかりが取りざたされていますが(この記事もそうかも…汗)、人によっては全く効かないとか、逆に悪く作用してしまったということも起こり得ます。

どの疾患に対しどのような体質の人が、どのような薬とどのような医療大麻を組み合わせて、どのくらいの量をどの順番でいつ摂取すればよいのかと言うことに関して、ノウハウがまだ何も無いと言っても過言ではありません。

医療大麻は、底知れず広大な可能性を秘めているのは事実ですが、それゆえ不確かでつかみどこらがない部分もあり、今後本当の意味で人類の苦しみを減らす適格性を上げていく事においてはまだまだ時間が必要です。

 

 

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